HACCP【Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重要)Control(管理)Point(点)】
HACCPは食品の製造工程の各段階で品質問題が起き易い点をあらかじめ予測し、被害を未然に防ぐ管理方法として米国から持ち込まれました。全ての食品等事業者を対象にHACCP導入の義務化が決定し、2021年6月の実施期限を前に食品業界各社は準備を急いでいます。日本国内において食品管理が更に厳しくなります。
HACCP義務化の対象は、大手食品メーカーからレストランなどの小規模事業者全般まで幅広く、食品業界全体にかかわる大きな変化が起こります。 基本的には従業員が50人以上の中・大規模事業は、HACCPチームの編成など厳格な管理が必要になります。一方、50人以下の小規模事業には、簡易的な管理手法の順守が求められます。
物流企業はモノを運ぶ事や保管する事が業務であり、多くの場合食品や材料を作る事には直接関与しません。しかしながら商品の品質を保証しお客様へ届けなければいけないため、HACCPの一端を担うという事実は変わりません。
このHACCP導入の波で一層商品の取り扱いに注意を払う必要が出てきます。輸送経路、商品の種類、荷主の規模によって求められるレベルは大きく異なります。例えば、荷主が大手食品メーカーや飲食チェーン店であれば、レベルの高いHACCP対応が求められるでしょうし、温度管理を必要としない食品を取り扱う場合は簡易的な対応で済む事が予想されます。とはいえ、日本全体が食品衛生に一層の注意を払う事になるため、物流業界にも新たな品質のスタンダードが必要とされています。
物流業界における衛生・品質管理において、最も重要な点が温度管理です。現在でも倉庫内や輸送中のトラック内などの温度管理は徹底されていますが、今後は商品自体の温度を記録し、エビデンスを残しておく事も必要な場合が増えてきます。
現在は、以下についてはすでに実施しているかと思います。
・冷蔵庫、冷凍庫の温度チェック
・配送車の庫内温度記録
・荷主から預かった時の状態を示すもの
今後は上記に加え倉庫から配送車への積み込み途中の状態、倉庫内の移動時の状態、配送後の状態など今まで補足できなかったデータを商品に一緒に設置した温度センサーにより管理する事が必要になってきます。
温度記録については手作業で行われる事が多く、繁忙期は手が回らず正しく記録が取れない等、精度にも問題があるのが現実です。今後、さらに管理の精度を高めていくためには温度記録の自動化システムが必須となってきます。食品衛生法の改正は、物流業界において、品質管理体制の抜本的な改善を行うきっかけとなるでしょう。
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