カゴ車管理の大幅改善!年間600台回収を実現、使用契約の増加も!
予想以上の効果で追加導入を決定、新センターにも対応予定
中部興産株式会社 チルド物流センター
中部興産株式会社様は、バローグループの100%子会社であり、物流インフラの設計・施工および運営を専門とする物流企業です。
主な事業は物流センターの運営および集荷・配送業務であり、バローグループ各店舗に納める商品を集荷し、店舗別に仕分けして各店に配送しています。
中部興産様では、カゴ車の盗難被害をきっかけに、カゴ車の管理ツールを探していました。その際、千代田組様とシーネットが共同で、物流資産の位置情報を自動で収集・管理するシステム「ci.Pacific/ カゴ車locaTor」をご提案しました。
導入後は、カゴ車の紛失や滞留の追跡が可能となり、年間600 台回収を実現、カゴ車管理が大幅に改善したとのことで、導入効果や上手に活用するポイントなどについて詳しくお伺いしました。
カゴ車の大量盗難が発覚!カゴ車の流れを把握して、カゴ車不足問題を解決したい!
--Q:導入のきっかけを教えてください。
弊社では、カゴ車をセンターから店舗へ効率良く商品を運搬できる機材として運用していますが、常に不足状態で、毎年大量に購入しているため、カゴ車の流れを把握するためのツールを探していました。
そのような折に、カゴ車の盗難被害が発覚し、早急に手を打たなければならないと考えたことが、導入のきっかけです。
--Q:カゴ車は、年間でどのくらい不足していますか?
1 センターあたり、常に2000 ~ 3000 台不足している状態が続いています。普段使う分は確保していますが、繁忙期になるとカゴ車回収のための臨時トラックを1 日に何度も走らせていました。
店舗から納品後にそのまま回収して帰ってくるのが理想ですが、それが難しく、紛失や滞留につながっている状況でした。
ですから、店舗でどのくらい滞留しているのか、カゴ車の返却スピードなどを把握したいと考えていました。カゴ車が長期間滞留している店舗がわかれば、その店舗に対して適切な対策を取ることができるようになるからです。
千代田組さまからのご紹介。トライアルで、安価で性能がよい点を評価!
--Q:シーネットを選定した理由はなんですか?
導入に際しては、日ごろからお世話になっている千代田組さんにご相談したところ、シーネットさんを紹介してもらいました。
千代田組さんとは、以前、弊社のコンベアやシャトル&サーバの導入でもお世話になって以来の長いお付き合いです。
今回も、カゴ車盗難で困っているため、何か良いものはないかとご相談したところ、千代田組さんの取引先であるシーネットさんに、GPS やSigfox を使ったソリューションを提供しているとご紹介いただきました。
--Q:類似製品は検討しましたか?
類似のサービスは見たことがありましたが、アンテナが必要だったり、高額だったりしたため、安価で性能が良いものを探していました。
製品説明を受け、シーネットの「ci.Pacific/ カゴ車locaTor」は、まさにニーズに合っていると感じました。
1 か月のトライアルの結果、納得のいく成果が得られたため、導入を決めました。
選定の理由としては、実際に試用できたことが一番大きかったです。加えて、シーネットさんの親切な対応も選定の決め手となりました。
常に異常な動きがないか監視! Googleマップで確認し、カゴ車の位置を特定。
--Q:現在どのようにご活用されていますか?
100 台導入し、以下の7 項目についてExcel で記録管理しています。
・不明 ・滞留 ・通信断・一覧 ・紛失カーゴ ・監視カーゴ・通信回数変更
常に異常な動きがないか監視し、異常を発見した際は、数日分の履歴を追いながら、Google マップでグループ会社や取引先がないかを確認します。
その後、実際にその場所を訪れ、自社のカゴ車があるか確認します。
滞留している取引先には、使用状況を確認し、返却をお願いするか、使用契約を結ぶよう案内しています。
--Q:1日にどのくらいの時間をかけていますか?
毎日1 時間くらいかけて異常な動きがないか確認しています。怪しい動きがある場合には、もう少し時間がかかることもあります。とにかく毎日追いかけることと、店舗や取引先、運送会社の情報をしっかりと把握しておくことで、見えてくるものがあるので、それが活用のポイントだと思っています。
--Q:カゴ車の紛失や滞留の発見において、どんなケースがありましたか?
滞留調査をしたところ、納品後にカゴ車をそのまま棚として使用しているケースがよく見られました。
また、弊社のセンターや取引先のない場所で検知することも多く、例えば、運送会社の協力会社の営業所にあったり、運送会社の基地局に一旦置かれ、そこから各センターに配送されるため思ってもいない場所で発見されることもあります。
通常なら追跡が難しい状況でも、システムで追跡できることは非常にありがたいです。
動作が軽く、直感的な操作が可能な点を評価
--Q:使い勝手はいかがでしたか?
動作が速く、クリックするとすぐに反応するため、ストレスなく操作できます。
また、立ち上げ画面ではすべてのカゴ車の位置が一目で確認できるため、非常にわかりやすく、クリック後の画面遷移もシンプルで操作しやすいです。
全体的に、直感的な操作が可能で、設定も単純でわかりやすい点が気に入っています。
--Q:慣れるまでの時間はどうでしたか?
操作自体は簡単で、すぐに習得できました。
しかし、異常を見つけるには、同じ作業員が継続して監視することが必要です。
システム自体は非常に便利ですが、やはり人が使うものであり、ただ操作するだけでは気がつかないことがあります。
自作の補助具で本体を補強!工夫を重ね、自分たちの使いやすい形へ
--Q:導入にあたり、課題はありましたか?
電波状態の問題なので仕方ない部分はありますが、Sigfoxでは屋内の電波状態が悪い場所で正確な位置がわからないという課題がありました。
また、建物内での不明や通信断が2~3割発生しており、その影響度合いを把握したいと考えていました。
運用を続けるうちに、弊社の倉庫内ではおおよその位置がわかるようになりました。屋外では問題なくカゴ車を見つけることができ、GPSやWi-Fiモードを利用すれば問題は解決可能だと判断しました。
また、通信断や不明になったカゴ車についても、100日以上通信が途絶えていたカゴ車が再び受信できたケースがありましたので、電波が受信できれば見つかることがわかり、安心しました。都会の方にいけばもっと良いのでしょう。
--Q:運用上、工夫している点はありますか?
弊社では、フォークリフトでカゴ車を運ぶ作業があり、その際本体が脱落してしまうことがありましたので、追加購入分にはGPSの取付ボルトが欠落しても台車から落ちないように、鉄製の補助具(溶接)を取り付けることを検討しました。
この補助具は、ボルトが欠落しても押さえと支柱に当たるため、GPSが飛び出さない仕様になっています。
これは弊社の設備部と検討しましたが、会社のポリシーとして、なるべく既製品を買うのではなく、自分たちで作ろうという姿勢があるため、今後も工夫を重ね、自分たちの使いやすいものにしていこうと考えています。
また、弊社のカゴ車だと一目でわかるように看板をつけています。
追跡管理中の文言も記載していますので、これを見てドライバーさんが連絡してくれることもあり、回収の際に役立っています。
カゴ車管理の大幅改善!年間600台回収で効率化、使用契約も増加も!
想像以上の効果で追加導入決定!新センターにも対応予定
--Q:導入効果を教えてください。
① 位置情報の見える化で、カゴ車を年間600 台回収
カゴ車の流れを把握できるようになり、回収もスムーズに行えるようになりました。
導入から約1 年で、約600 台のカゴ車を回収することができました。
弊社以外の場所で巡回使用されていたり、取引先の仕入れ先に行っていたり、弊社センターを使用していない店舗直送の業者が使用していたりするカゴ車は、これまでなら紛失したまま終わってしまいましたので、資産が戻ってくるのはありがたいです。
また以前は、繁忙期には、カゴ車回収のために臨時便トラックを走らせていましたが、導入後はトラックの本数が減り、業務負担が軽減されました。
②カゴ車の使用契約が増加、業務として確立した
取引先で、納品後にそのままカゴ車を棚として使ってしまうケースがよくありますが、全てのお客様に出向いて確認するのは難しい状況でした。
システム導入後は、滞留していることがわかるようになりましたので、使用状況を確認し、「使用するならばリース契約をしませんか」と案内したところ、4 件の契約を得ることができました。
元々カゴ車の貸し出し料金設定はありましたが、今回のシステム導入で可視化が進み、業務として確立されました。
③取引先に管理している事がアピールでき、抑止力になっている
取引先にシステム導入を案内すると、GPS でしっかり管理している印象を持ってもらえます。その結果、以前よりもカゴ車の流れが良くなりました。
このように多数の効果が出ましたので、追加購入を決めたところです。
--Q:追加購入について詳細を教えてください。
今回、初回の100 台を導入して約10 か月運用した結果、想像以上の効果があったため、追加購入を決定しました。現在の100 台ではやや不足を感じていましたし、さらに100 台を追加しようということになりました。
また、10 月には大阪に新しいセンターを設立する予定ですので、大阪向けにも100 台を配備することを考えています。
カゴ車は常に循環して使用されるため、現在は北陸、中京圏で100台ずつ分けて運用しています。
地域ごとに多少のプラスマイナスはあるものの、カゴ車が均等に循環していることが分かりました。このため、大阪でも同様に100台を導入し、合計300台での運用を計画しています。
本質的な課題解決に向けて体制を整え、ホワイト物流を目指す
--Q:今後の展望についてお考えをお聞かせください。
ホワイト物流を目指すために、バース管理の導入などで待ち時間の負担を減らす方法を検討しているところです。
また、今後の課題として、ドライバーの付帯作業を明確にする必要があると考えています。
そのためには、まずセンター側とドライバーの双方が共通の認識を持てるようになればと思います。
2024年問題に対しても、表面的な対策だけでなく、本質的に解決できる体制を整え、物流業界全体を改善したいと考えています。
千代田組さんやシーネットさんは多くの知見をお持ちですので、今後ともご協力をお願いします。
本事例に関するお問い合わせは、電話(043-307-5125)または問い合わせフォームにご連絡ください。
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